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郵便ポストが目立つ桜田通り

「公衆電話」と表示されない白い電話 実は「ピンク電話の白電話」だった

「公衆電話」と表示されない白い電話 実は「ピンク電話の白電話」だった

電話をかけた先方に「公衆電話」と表示されない白電話

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 北海道札幌市内にある商店街「狸小路」の土産店に白い公衆電話があると聞いて早速調べてみた。

白い電話を設置する「たぬきや」社長の島口義弘さん

 設置しているのは、北海道土産を扱う創業1916(大正5)年の老舗「たぬきや」(札幌市中央区南三条西4)。店内に「私設公衆電話」として設置されており、相手に公衆電話と表示されず、一般の電話番号が通知されると案内されている。

 この手の電話として「ピンク電話」がある。特殊簡易公衆電話で、飲食店などの店内に設置する公衆電話サービス。多くがピンク色であることから「ピンク電話」と呼ばれていた。公衆電話の不足を補う目的で1953(昭和28)年に始まった「簡易公衆電話」の流れの一つで、一般加入電話を公衆に使え管理者が料金を手渡しで受け取れる。

 何か人に言えない事情のある人がこの電話を使うのだろうか。同店を経営する「たぬきや」社長で、地域の商店街振興のために活動する島口義弘さんは「一番のニーズは、公衆電話が無くなり、携帯電話を持たない人がかける電話がなく困っている人が予想以上に多かったから設置した」と話す。店の電話を貸してあげたりしていたが、「この電話になってから遠慮せずに使えるらしく好評」だという。

 「ピンク電話の白電話」というと話が伝わりやすいが、若い人からは「おじさんのところにエッチな電話があるんだつて?」と聞かれたことがあるという。「ピンク電話」の存在を知らない人々も増えている。利用数は徐々に減っているが、島口さんは「使う人がいる限り設置し続けていきたい」と笑顔を見せる。