姫路城=「白鷺城」の読み方は? 地元小学校の校歌でチェック!

奈良の法隆寺とともに、日本で初の世界文化遺産になった白鷺城(姫路城)
桜前線も一気に北上、いよいよ迎えた新学期。全国的に春休み明けを迎えつつあるここ数日は、自分や家族が入学式・始業式に出席したという人も多いのでないだろうか。
両式典で欠かせないのが、校長訓示や担任の紹介などのプログラム。校歌斉唱もその一つだろう。筆者が暮らす兵庫県姫路市で、校歌の歌詞によく登場するのが姫路城の別名「白鷺(はくろ)城」。同城は古くからの国宝で、後には国内で初めて世界文化遺産になった「世界の城」だけに、校歌を作った当時の大人がこぞって子どもに歌わせようとした気持ちはよくわかる。
さて「白鷺城」は、校歌にどれくらい採用されているだろうか。市立小学校のうちホームページで校歌を紹介している33校を調べたところ、9校の歌詞に見つかった。
見つかったのは、城から近い順に「白鷺(小中一貫校)」「城北」「東」「城陽」「広峰」「高浜」「荒川」「飾磨」「曽佐」の各校歌。いずれの歌詞でも「はくろじょう」と歌い、新しい読み方として広まりつつある「しらさぎじょう」と歌う例はなかった。
ちなみに幼い頃から「はくろじょう」と聞かされて育った筆者は、アンチ「しらさぎじょう」派。日本語は熟語の読みに音読みと訓読みを混ぜないのを原則としていることからも、白鷺城は「はくろじょう」だと信じてやまない。
一方で、姫路城を「しらさぎの古城」と歌う青山小の例も。ズバリ「しらさぎじょう」とは歌っていないが、ここでは同小の創立が1984(昭和59)年と新しく、すでに「しらさぎじょう」の読みも一般化していた時期と重なることに注目したい。前の9校は、いずれもルーツを戦前にまでさかのぼることができる。
だとすれば、ホームページで校歌の紹介がなかった小学校の中には、特に新設校で「しらさぎじょう」と
歌う例があるのかも。今回の調査では対象外だった市立中学校と併せ、引き続き調査していきたいと思う。
なお同城では今年、5年半に及んだ修復事業「平成の大修理」が完成。閉鎖していた大天守の一般公開を3月27日から再開している。「日本さくら名所100選」にも選ばれている約1000本のサクラのうちソメイヨシノは4月7日現在、落花激し」といったところ。城一帯が花びらのじゅうたんで彩られた様子を見ることができる。
取材・文・撮影:前田昌宏@姫路